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2006年12月31日 安堵できない最後の安楽日

大晦日です。


私の一番嫌いな日です。


なぜ大晦日が嫌いかというと、消滅の日だからです。
どういうことかというと、当然ですが、一年は1月1日から始まるわけです。つまり明日からまた新たな一年の始まりです。しかしてその対極にあるのが本日12月31日大晦日。


背中合わせの始まりと終わり。


日々の積み重ねなどといいますが、一年間の流れというのはまさにそのようなものです。
1月1日から12月31日まで、1秒1分1時間1日1ヶ月と積み重ねてやっていくのです。しかし、豈図らんや、12月31日の23時59分59秒をもって、その積み重ねが全てリセットされてしまい、我々はまた最初から山を築くことを余儀なくされるのです。何たる無情!


すなわち大晦日というと、一年間の積み重ねが全て消されてしまい、強制的に「ハイッ、また明日、最初からね」という命令に従事させられてしまう、なんとも無惨な日だと言わずにはおけないのです。


せっかく10月11月12月と順調に月日を積み重ねてきて、月の数も二桁になったんです。それなのに、それなのに明日からまた1月1日。まるでゴールに到達するや否や振り出しに戻されたかのようなこの絶望感。


残るものは記憶と記録。
それで十分だとは思いますが、一方でどこかにやるせなさをも感じるのです。


私にとって12月31日大晦日というのは、徒労感を前に屈服せざるを得ない日なのです。
そして1月1日元日なんて、御目出度くはないのです。「まーたやり直しかよ」という気持ちが心の片隅にあって、まるで骨が抜かれたかのようにガックリとなる日なのです。


この虚無感を理解して頂こうとは思いませんが、それでも私は敢えて言いたかった。
12月31日大晦日。私の一番嫌いな日です。
紅白歌合戦の日でも、格闘技の日でもないのです。
それは不可抗力によって強制的に振り出しに戻らされる前日、刑執行の前、安堵できない最後の安楽日。


さようなら2006年。
また最初からのやり直し。明日から12ヶ月間一緒にお供しましょう2007年、宜しく。

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