« 『ラブホテル進化論』 | もどる | 宮本浩という生き様 »

2009年01月31日 苦境を踊る Tilly and the Wall

Bottoms of BarrelsTilly and the Wall──アメリカは中部の方で活動する男2、女3の5人組バンド。そのお嬢様三人のお姿はコチラです。コレを見てもお分かり頂けますようにハデで物騒で怖さも漂う雰囲気のヒトたちなのですが、曲の方はハデだという点以外に共通点はありません。(2人の男はごく普通の青年です。ソレが女性陣の異彩ぶりをいっそう際立たせる結果になっています。)
このバンドはドラムレスで、ドラムの代わりにお姉様たちがタップダンスを踏むコトでビートを刻むというちょっと新しく奇抜な展開を提示してくれています。こういった珍しいアプローチで煌めきを増すその曲は、彼女たちの外見同様にキラキラしていてギラギラしています。(アメリカのインディーバンドによくある屈託の無いど真ん中のポップソング、と言ってしまうと誤解を与えてしまうかもしれませんが、でも、モノ凄くポップなんです。)その中にタップダンスのチャカチャカいう音が混じり、或いは程よい加減でギターのノイズが入ってきたり、吹奏楽器やら打楽器やらも多用して、ああ、この若き娘サンたちはとてもご機嫌なようです。悪く言うワケではないのですが、このバンドがやっているコトは決して上品なポップソングではなく、かといってひねくれた変態的なポップソングでもない。迷いの一切存在しない歌って踊っての陽気なお祭り騒ぎとでも形容すれば相応しいような、そんな明るくて楽しい音色。
楽器ジャカジャカ、足下チャカチャカ、歌声ル〜ラララ。聴衆も一緒にHey! Hey! What up? C'mon! なんかもうそういうバンドです、Tilly and the Wallってのは。聴いているだけで楽しくて、壁を作らない、若くて生き生きしている原色なバンド。


──ココのトコロ、ビックリするくらい景気の悪いニュースばかりが垂れ流されていますから、敢えて彼女たちのようなハイテンション請負人のコトをこの場に書いてみようと思ったのです。気分転換にでもTilly and the Wall、如何でしょう。今までに以下の三枚のアルバムを世に放っています。
「Wild Like Children」
「Bottoms of Barrels」
「O」
右上に掲載しましたのはセカンドアルバム「Bottoms of Barrels」。個人的に最も好きな一枚です。オススメ。


参考リンク:Tilly and the Wall - MySpace

« 『ラブホテル進化論』 | もどる | 宮本浩という生き様 »