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2009年01月19日 初場所は後半へ

絶好調ではありませんか! 朝青龍のコトであり、また把瑠都のコトでもあり、そして何よりも白鵬のコトです。
今日の結びは凄かった。決して完璧とはいえないまでも把瑠都にとっては相当優位な体勢でありながら、それでも最後は力で圧倒する白鵬。まず立ち会いから把瑠都の上手を警戒して低く、そして相手の動きの中から上手を探る。把瑠都にも上手を与えたのはやむを得ないという判断でしょうが、その後に胸が合った時点では把瑠都に流れが行くようにも思われました。でも、ココからが白鵬の本領。振り返ってみても、最後に投げを打つまでの間を見ているだけで、その調子の良さが窺われるというものです。強靭な下半身、把瑠都の怪力に、力でも負けない横綱白鵬。天晴。
把瑠都の成長の著しさは今更言うまでもありませんが、まだ白鵬との間に差はあるな、と思わせる一番でした。──「SLAM DUNK」でいうところの把瑠都が桜木で、白鵬は流川。未知の潜在力と尋常ではない動きをする把瑠都(=桜木)、ピカイチの技量と冷静さを持ちつつも、裡には誰よりも強い闘争心と自負を持つ白鵬(=流川)。
おっと! 妙な戯言を吐いてしまいました。脱線には注意です。
朝青龍も全勝できています。やくみつる氏の淡い期待に満ち満ちた引退予想は木っ端微塵に打ち砕かれてしまいました。ざまぁみろ、と言うべきでしょうか。…と述べてみたトコロで、わたしとてココまで勝ち続けるとは思ってもいなかった。場所は後半戦へと入りココからが最も白星を重ねていくのが難しい地点のようにも考えられますが、それは経験だけなら圧倒的に豊富な朝青龍のコトですので、どうにかなってしまうとも言えてしまいそうではありませんか。依然として「軽い」との印象を持つ場合もあるのですが、立ち合う寸前、腰を下ろした時点での集中した表情を見る限り、もう完全に強かった“あの頃”に(戻ったとまでは言い切れないかもしれませんが)似てきている。「崖っぷち」から一転、相手を崖へと追いやる側になりましたね。本当にこの横綱は不思議だ。どこに斯様な執念、気力、集中力が宿っているのでしょう。「SLAM DUNK」でいうところの…湘北高校バスケ部そのものです。そのヒールっぷりも瓜二つ。
おっと! また妙な戯言を吐いてしまいました。脱線には注意です。


とりあえず今日はココまで。優勝争いは非常に面白くなって参りました。両横綱の陰に隠れたようなカタチになっていますが、大関陣のなかでは唯一琴欧洲の調子も良い。新大関日馬富士は見事に周囲の事前の予想に反していますが、コレもまた大きな謎です。だから相撲は愉快だ!と言ってしまえば、ソレはソレで間違ってはいないのかもしれませんが、彼にとってはあまりに酷だ。どうにか後半戦、勝ち越しを目指して場所を盛り上げて欲しいと願うばかりです。モチロン、このことは日馬富士以外の力士にも同じコトがいえるワケでして、土俵の上でこそ衆目を唸らせてもらいたい。それが常に変わることなく相撲ファンの胸中に抱かれている素直な想いに他ならないという点については、改めて申すまでもない事実でしょう。

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