« 山中優著『ハイエクの政治思想』 | もどる | 孤独の抵抗者バートルビー »

2008年11月25日 Xiu XiuとDamien Rice

アメリカのXiu Xiuというバンドについては以前もココに書きました。シロウトの私には到底理解の及ばない奇怪な音楽を奏でるアバンギャルドな集団だと思います。全く、最初から最後までどうも分かりません。その音が良いのか悪いのかすら分からない。何枚かのアルバムが出ていて、私も何枚か聴いているのですが、どれを聴いても分からない。Xiu Xiuの代表作を一枚選べと言われれば、三日三晩悩み続けるでしょう。日常的には馴染みの薄い珍しい楽器を使いこなしてみたり、芯のある声でフニャフニャした歌声を出してみたと思ったら、突然轟音でヒートアップしてみたり、かと思えば怪しげな電子音を鳴らしてみたり、または一転して静寂のなかに微かな音を響かせてみたりと、とにかくやるコトなすコト全てに渡ってシロウトの私には考えのつかない手法を用いてきます。おそらく音楽に精通しているヒトならば、その優れた耳で、その多岐に渡る音、音、音を聞き分け、あれやこれやと評論するコトも可能なのでしょうけれど、私にそのような芸当はムリです。──Xiu Xiuの良さは何か。この問いは(私にとって)「邪馬台国は何処にあったか?」というに等しい難問です。楽しい、といえば楽しい。ナゾだ、といえば確かに大いなるナゾだ。そして陽気でもあるし、陰鬱でもあるし、無邪気でもあるし、冷淡でもあるし、けれども無駄はなく、惰性でもなく、脱力はしているかもしれませんが、一方で熱がある。
何度聴いても何が何だか分からないバンドですが、しかし何度でも聴き続けられる不思議な魅力(魔力?)をもっています。そんなXiu Xiuについては MySpace.com - Xiu Xiu (今年の初頭に出たアルバム「Women As Lovers」も当然の如くハチャメチャな一枚です。)


Xiu Xiuのような変わり種の後に、たとえばダミアン・ライスなどを聴いたりしますと、あまりの階層差に戸惑います。今はダミアン・ライスのセカンドアルバム「9」を聴きながら、このアルバムはアグッレッシヴだなぁ、などとテキトウなコトを考えています。ファーストアルバムの頃とは打って変わって、バンドと共に、歌詞にも勢いがあって、それで…フォークシンガーじゃなくなってるよ。でも、イイ声だと思います。最近は歌などよりも楽器の音だけを聴いている方が楽な気持ちになって良いのですけど、たまにこの手のガッチリ歌い上げるようなタイプのヒトの音源に手を出しますと、嗚呼、気持ちのやり場に困惑します。心の中はあまり大きな面積がないものですから、気分をあっち行きこっち行きさせて、狭い範囲内で誤魔化し誤魔化しやり過ごしている毎日です。
ダミアン・ライスにはまたファーストアルバムみたいな素朴かつ気迫に満ちたアルバムを出して欲しいな。ニック・ドレイクみたいにシンプルななかに陰惨さと緊張感、緩和されざる懊悩を秘めた、そんな曲を期待してはさすがにダメでしょうか。タイプが全然違う? そうかもしれません。そうでしょう。そうだ! そんなダミアン・ライスについては MySpace.com - Damien Rice


ついでに書いときましょう。ガンズの「Chinese Democracy」出ちゃったよ! 中国共産党が崩壊して、シナの地に一応のデモクラシーが形成されるまで出されないのかと思っていたのに。聞こえてくるのは1曲当たり1億円の制作費云々。いったい何をどうすればそんな莫大な費用がかかるのでしょう。
ついでに書いときましょう。いつの間にかSPEEDが再結成していた。「Body & Soul」とか「Go! Go! Heaven」なんかは覚えているのですけど。私が中学生の時、時代は彼女たちに味方していました。誠に時間の流れとは残酷なモノで・・・おそらく7〜8年後にはPerfumeも・・・ いえいえ、何でもありません。
SPEEDのプロデューサーである伊秩弘将氏が本気を出せば、Perfumeの中田ヤスタカ氏を軽く凌駕すると思っている。八反安未果に提供した「SHOOTING STAR」こそ伊秩の本領。そんな気がしていた。うろ覚え。

« 山中優著『ハイエクの政治思想』 | もどる | 孤独の抵抗者バートルビー »