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2008年01月22日 場違い

白鵬は安馬を苦手としておるのか。愈々朝青龍と白鵬が九勝一敗で並び立った。朝青龍は取り組み後の表情を窺うに、かつての冷めたような、<意識的に>細事への拘泥を拒むかの如き無色の目をしておったから、それを知って、お!戻ってきたな、との感を受ける。もはや「ブランク」など関係無いであろう。これから終盤にかけて優勝争いは俄然面白くなりそうですが、やはり彼がいるのといないのとでは全く雰囲気が異なってくる。


視界を転換せんと欲す。
前回のセンター試験に関するヤツのコトで、実は或る情けない記憶を持つハメになったので、ココに書き加えておきたいと願う。
ソレは控え室でのコト。私が持参してあった論文に用いる予定の書物に目を通しておった時であった。ソコは横に五人が並んで座るコトのできる典型的な大教室の机であり、私は通路側、つまり五つある椅子の一番端に座っておったのでして、私の斜め後ろ、すなわち対角線側にはどうやら女が座しておるようであった。その女は雑誌のようなモノを開いて、何やら書き込んでいたようですが、私はとりたてて気に止めることもなく読書に励んでいたら、ソコに男がやって来たのです。男は反対の通路側、つまり私が座してある場所から椅子三つ空けた向こう側に座って、後ろの女に対して斯く述べました。
男「コレ好きなんですか? ボクもよくやるんですよ。やりだすと止まらなくなりますよねぇ〜」
女「そうですネ、楽しくて、よく、やります」
この会話、何も妙ではあらぬが、ココで私は分かったコトが二つある。まず一つ目。女は外国人であるというコト。私はその女をハッキリと見ておらぬが、それまでチラチラッと視界に入ってきていた時の感覚で、どうやら東洋人であるコトだけは解っておった。おそらく中国か台湾か韓国からの留学生でしょう。二つ目。雑誌+書き込みという事前の情報と上述の会話から、おそらく女はクロスワードや数独などを集めた雑誌を暇潰しにやっていたのではないかと思われたのです。
まぁ、それでも私は集中して本を読み続けておった。ーしかし、隣から声は聞こえてくる。ソレが少しばかりヘンなのでした。明らかにこの二人、初対面だという感じを受ける。なぜならば、男の方が熱心に彼女の名前を聞き出したり、それはどういう字を書くのかとか、この部屋にいる時間帯は? などと気さくに質問を繰り返してばかりいて、両者に何の接点もないらしいコトが、何となく伝わってくるからでありました。そもそもやり交わす言葉が敬語だ。
けれど、果たしてどうか。だんだん敬語から砕けた言葉に転じて行き、最終的にその男は「あとで名刺を渡すよ」とか何とか言い出す始末。女もまんざらではない様子、受け入れ態勢万全って具合。


「・・・あの〜、こんなトコロでナンパしないで貰えますか、そしてそれに気軽に応じないで貰えますか。」


私はその一言を言えなかった。一応オレたち「試験補助員」ってバイトで集まってるんだぜ… 受験者を補助するのであって、己の異性への関心を補助する場ではあらぬのじゃ。
それを、今、言った。ああ、俺もナンパ用に名刺作ろうかしら。

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