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2007年12月01日 横暴サディスティック

本日バイトに行きて、今月末に辞めたい旨を連絡する。
既に夏前から年内をもって辞する決意を固めておったが、愈々引き際が近づいて来たのでありました。誠に月日の流れは速し。
実際において予想以上にアッサリと“退職願”は承認されたのだが、それは所詮<使い捨て>のバイトだからか。無断欠席しても何も言われないようなトコロだから、やはりバイトなぞの価値はゼロに等しい。ま、宜しい。私が辞める理由は、来年初頭から就活に専念したいコトが最大のモノでして、其れに続いて修論執筆に向けて時間を欲しているコトがあげられよう。
残すトコロ13〜14回通えば、一先ずバイト生活ともお別れである。名残惜しいとは思わんが、辞めれば心持ちも変化するのではないでしょうか。


さて、今日はバイト先にいる(いた?)奇妙なオッサンのハナシをしようではありませんか。
ココでまず最初にこのオッサンの呼称を決めておいた方が以後スムーズに展開出来るのであるから、私はその対象をMサンとしたいのですけれども、それでは味気が無いので、あっ、今テレビに「ミキサー」が映っておるから、Mサンとかけてそのオッサンを「ミキサー」と呼びたい。
今日は「ミキサー」についてのだらしのない記述である。

とは申しましても、「ミキサー」は気狂いだ、とコノ一言を以て全てを完了させてしまう程の乱暴さでも、ソレは「ミキサー」と奇妙な具合に一致するのでありますから、或いは今日に限ってはこの一文で終われそうなのだけれども、それでは<乱暴でない>私の意に反しますし、数少ないこのブログの読者に対しても失礼でありましょうから、もう少し書かせてもらいたい。何がどう気狂いなのか。


私は「ミキサー」の気狂いさ加減について、既に複数の人物を相手に“ネタ”として話し過ぎたキライがあるので、今日は若干抑えめに書いて行きたいのでした。
「ミキサー」は或る日、唐突に姿を現した。ソレは何時の頃かはもはや忘却した。しかし、とりあえず何の前触れも無く現れたのです。詳細に言うなれば、それまでおった具志堅サン(仮名)が退職したるをもって、その後任として来たのであるが、私からすれば具志堅サンが辞するコトを知らなかった故に、「ミキサー」との出会いは実に突発的なモノであった。
「ミキサー」の第一印象は「神経質で大人しそうなオッサン」といったモノでしたが、瞬く間にソレは覆された。およそ「大人しい」という日本語があれほどまでに不適切な野郎もおるまい。私はそう確信しておる。見た目はヒョロヒョロして「ちびまる子ちゃん」に出てくる藤木の如きオッサンなのだが(ただし唇は青くない)、知れば知るほどイヤになる「ミキサー」。何にあぐらをかいておるのかは知らんが、あらゆるモノに対して上から物を言う。要は“横暴サディスティック”なのであります。
おっと、以前にも記したるが、私はスーパーでバイトをしておるから、それを前提として読んで頂きたいのであるが、「ミキサー」は商品を運んでくる業者のオッサンやパートのオバチャンや私のようなバイトの学生など、誰彼構わず説教をし、時には大声で「舐めとんのかぁー!」とか「もう帰れ、帰ってエエよ」とか言う。「ミキサー」は香川出身。同じ四国出身だと知った時には親しみなど無く、むしろ嫌悪感を感じたのであるが、「ミキサー」は「四国のヤツには親しみを覚える」と、その時は優しく言ってくれた。まったく大きなお世話である。
「ミキサー」は怒鳴る。気が狂っているかのように怒鳴る。いや、気狂いだから怒鳴るのでありましょう。私も幾度となく怒鳴られたのであるが、厄介なのは「ミキサー」は己を賢いと思い込み、他人を見下したように怒鳴るから、斯かる状態の精神錯乱者は実に陰湿だ。「ミキサー」のロクでもなさの例をあげよう。私は「ミキサー」から何かを言われたのでしたが、よく聞き取れなかったが故に聞き返したのでありました。「ミキサー」は若干早口で喋るので、うまく聞き取れない時がある。私が「ハイ?」と申し上げると、「ミキサー」は瞬間湯沸かし器の如く急にテンションが上昇し、大声で「牛乳が奥に入っとるから前に出しとけっ!」と、さして重要でないコトを私に言った。私はそんなコトを言う為にこのオッサンは怒鳴ったのかと不思議に感じましたから、「ハイ…それだけですか?」と言ってみたら、今度は「ミキサー」、「ハァー」と大きなため息をついてみせ、「それ以外に何がある!? オマエと話すのは疲れるわ」と嫌みらしいコトを言った。そして「さっさと行け」と邪魔者扱いなのでした。
こういうのを私は多い時に(一日に)二、三回経験したのでして、一週間で換算するとその数は十回近くに迫る時もあった。私も「ミキサー」といるのは<疲れるわ>。ちなみに私なぞはまだマシな方で、同じくバイトの奥野クン(仮名)は<一日に十二回>怒鳴られたと云う。律儀に数えてたんだな。
もう一つ例を。或る日、米屋の爺さんが「ミキサー」に怒鳴られていた。「ミキサー」は自分よりも明らかに年配のその爺さんを相手に「帰れ!帰れって言うてんのが分からんのか!!!」と、香川弁と関西弁の中間のような日本語で怒鳴っておって、年下のモノに怒鳴られ続ける爺さんは半分土下座のような格好であった。異常な光景のSMをまさかスーパーの事務所で見せられるとは誰が予想したであろうか。業者は商品を<お店に置いてもらう>という意識があるからか、スーパーの店員に対しては丁寧な対応を強いられるようだが、それにしてもそういった関係を良いことに、自分より一回り年上の爺さんをあそこまでコケにできる「ミキサー」の“横暴サディスティック”具合はもはや警報レベルであって、注意法では到底対処できん。


だが、ココで厄介な問題が生じざるを得ないのでして、「ミキサー」は“横暴サディスティック”なくせに、仕事は驚くべき勢いでキッチリとしており、私が反論のしようがない状態で命令されたりキレられたりするので、私はなす術が無い。些細なコトで怒鳴るのには目を瞑るとしても、仕事に関するコトで「ミキサー」が誰かに怒鳴る場合において、非はほぼ怒鳴られる側にありますから、この限りでは「ミキサー」はまったくもって善人になってしまうのであります。しかして、「ミキサー」は仕事は出来るが“横暴サディスティック”な気性を持ち合わせておるが故に、やはり私はこのオッサンを気狂いだと断定せざるを得ない。いや、本心はそう断定“したい”だけかもしれませぬが…


しかしながら、幸福なコトに私が「ミキサー」と共にいたのはわずか二ヶ月半くらいの期間であった。
或る日、突然「ミキサー」は姿を消したのであって、今に至るまで音信不通なのでございます。その理由は、「息子が傷害事件を起こして逮捕されたから」だと云う。息子と申しても、もはや三十路越えの立派な大人であるというのだが…
斯かる具合で意味不明なコトに、息子の事件に絡んで「ミキサー」はすっかりフェードアウトしてしまった。風の如く現れ風の如く消え去りたる。今では誰も「ミキサー」のコトを言わない。もう忘れられておる。それで良いのでありますよ。気狂いの存在は即刻忘却するのが宜しい。
だが、私は秘かに思っている。息子(といっても大人)の件で斯様な状態になるワケがない。長期間「ミキサー」と連絡がつかないらしいのは、すなわち息子ではなくして「ミキサー」が逮捕されたからではあらぬか、と。それならそれで素晴らしい。「ミキサー」には更正が必要だから。


私がバイトを終えるまでに「ミキサー」と再び対面するコトはあろうか、おそらく無かろう。今日も気狂いは気狂いで生きて行くのです。世界は一つではない。「ミキサー」はもう別の世界に行ってしまった。さようなら「ミキサー」。ちなみに私がバイトを辞する日は、25日である。言うまでもなくクリスマスの日だ。ヘンッ、そんなモノ糞喰らえ。25日、「ミキサー」ともバイトともクリスマスとも訣別だ! イェイ!

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