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2007年11月08日 「正倉院展」及び東大寺周辺雑記5

コレは「『正倉院展』及び東大寺周辺雑記4」の続きです。ソレを未読の方は先にコチラからどうぞ。


ああ〜、何分待ちだろう…と暗然たる心持ちでおると、果たしてどんどんと前に進んでいくのでした。おや? コレは如何なる事態か。進む、進む。驚くべき速度で前に進みます。結局五〜八分くらいで入場口へ達す。いやいや、一人のオッサンがチケットを切っておるものだから、ソコで滞って行列ができておるだけで、何も入場制限されておったワケではないのでした。入場制限されておったのは団体客のみで、個人は次々に入れる模様。そりゃそうだ。団体客を次から次に押し込めば、中は大変なコトになりましょう。だから、団体客だけはやたらと待たされてあるワケね。
というコトで、入場し、二回の展示場へと一路向かう。階段を上りて、すぐに「第一展示場」と書かれた看板が目に入る。おお〜、ついに来たか!どれどれ、如何なるモノが展示されておるのか、と思い、第一展示場に踏み込みます。


・・・・・・・・


ヒト、ヒト、ヒト、ヒト、ヒト、ヒト、ヒト、ヒト、ヒト、ヒト、ヒト、ヒト、ヒト、ヒト、ヒト、ヒト、ヒト、ヒト、ヒト、ヒト、ヒト、ヒト、ヒト、ヒト、ヒト、ヒト・・・・


正倉院の中に存しておったお宝など一向に見えはせぬ。ショーウインドウの周りにはヒト―しかも高齢者ばっかり!―でごった返しており、いったい何があるのかも判明致せず。考えてみれば、個人客の入場でも異常なほどに行列が出来ておったのだから、アレがドっと中に押し入れば斯かる事態になるのは火を見るよりも明かではないか。
ええい!私は年寄りを見に来たのではあらぬ!


隙をついてガラスケースの周辺に達するも、嗚呼、驚くべき哉、いやむしろ悲しむべき哉、古今東西工芸品等に関わる知識が欠落しておる私にはサッパリ分からぬモノばかりである。手のひらサイズの木箱に似たるモノであるとか、朱肉のようなモノであるとか、おそらく仏教の経典を記したと思われるような巻物であるとか、意味不明の細長い三十センチばかりの木の棒であるとか、これまた模様入りの小型金属皿のようなモノであるとか・・・兎に角、よく解からなさ過ぎるのであります。何れの場所にもプレートが設置されておって、ソコにお宝についての解説が記述されてあるのだが、生憎の人集りではソレすらロクに読めず。故に、サッパリ分からぬまま私は第一展示場〜第三展示場までを巡ったのでした。
或るババアなぞは、金属皿のようなモノに描かれている模様をちょっと見て「隙が無いねー」などと感心しておったが、アレとても何処まで理解しておるのかは怪しきモンである。あのヒト集りの中で、彼処に展示されておるモノの素晴らしき点を詳細に説明できるモノが、果たして幾人ほどいるであろうか。「正倉院展」という名前に騙されて、ソレだけで高級な気分に浸っておるモノも少なからず存在するはずである。
期待した私がダメであった。恥をあえて忍ばずに言わせてもらうが、正倉院展はワケが分からぬ。相当お勉強して赴かないと、まったく楽しむコト能わず。いや、仮に勉強して挑んでも、あのヒトの数じゃあ、余裕を抱きつつ鑑賞するコトなど叶わぬであろう。
まぁ、そういうワケで最も印象に残った展示物を一点あげるならば、ズバリ“朱肉のようなモノ”である。誠に遺憾ながらこれ以上は説明できません。申し訳なき思い。ソレが朱肉なのか何なのかすら分からぬが、仮にアレが朱肉だとして、いったいソノ何処に価値があるのであろうか。恥ずかしながら全く理解できなかったという点で、最大の印象をソコに置く。


それにしても、東大寺周辺に沢山おったはずの外国人を、驚くべきことに正倉院展にては一人も目撃せず。コレがまずもって一番に衝撃的であった。私の見た範囲、一人として外国人がおらなかったのである。コレは如何なる事態で、何を示しておるのか。「正倉院展」なるモノの存在について考えずにはおれなくなるではないか。私のように名前に惹かれて訪れる日本人ばかりだというのでしょうか。此の点に関してなど、心理学者が喜びそうな問題である。


より詳細に記述したきコトは多々ございますけれども、ブログという表現形態を取る以上、非常に大雑把にならざるを得ない。大雑把であるが故に、どうしても満足のいくように書き記すコトができず、そうして必然的に完成度の低い殴り書きへと堕落してしまった。こりゃあ、失敗です。つまらん。書いていてもつまらないんだから読む側はもっとつまらんでしょう。失礼致します。
最後に総まとめをさせて頂くと、今回のお出かけで最も有意義だったのは、南大門の見学であり、お出かけ自体の結果としては、正倉院展が散々な結果だった以上、一連の行動も散々なモノに帰結せざるを得ない、と、まー、こういう具合になるワケでして、ハハァーン、所詮オレの行動などロクでもない結果に終わりますのがオチですよ、ってことを証明する一日であったのだと、こういう風な結論でもって締めさせて頂きたいのでした。長らくおつ付き合い有り難うございました。漸く次回からは“通常バージョン”に復帰出来そうで、一安心。

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