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2007年08月27日 騙す奴

バイト先のスーパーに足の悪いお婆さんが常連客として頻繁にやって来る。足を引きずり、腰も相当曲がっているそのお婆さんが、お年寄りのよく使う手押し車を押しながら、ゆっくりと買い物をしている光景を何度か見かけたことがある。今日もそのお婆さんが来店して、飲料などを冷蔵庫に入れていた私の前を「ゴメンね兄ちゃん」と言いながら通ろうとしたので、私も「ハイ、大丈夫ですよ」と返答し、作業用に置いてあった台車などを少し移動させ、通路を確保してあげた。
昨年の秋に亡くなった私の祖母も手押し車を愛用しており、そうした記憶がそのお婆さんに何か親近感のようなものを抱かせるのである。
「ああ、あのお婆さんも色々と苦労されてきたのだろうなぁ」と思って見ていた時、少し離れたトコロからおばさんの店員サンがコチラを見ているのに気付く。「はて、何かあったか? オレ何かやったか?」と思うも、別に心当たりは無いのでそのまま作業を再開。するとその店員サンがそっと近付いて来て、私の背中を叩き、「あのお婆ちゃん、万引きの常習だから注意して見といてね」と。
「えええええ!!」内心で叫ぶ私。あのババア、悪いヤツだったのかー! さっきまでの優しい気持ちはどこへやら。ああいうヤツがコッソリと品物を盗んで行くんだな!外見に騙されちゃイカン。その店員サンは私ではなく、あの婆さんを見ていたのだ。
その後、私も婆さんをチラチラと監視していたが、どうやら今回は何も盗らなかったようだ。そしてさっきの店員サンは、婆さんから一定の距離を保ちつつ常に監視していた。徹底マーク、まるで万引きGメンだな、と思う。


しかし、こうなっては全てを疑いたくなるね。足を悪そうにしているのも、実は万引きを誤摩化すためのフェイクじゃないかしらん、などと思ってしまう。そのおばさんの店員サンによると、「コッソリ前のアレ(手押し車の中)に入れる」らしい。足が悪いから手押し車を押しているのではなくて、万引きするための道具としてそれを持ち歩いているのではないか。疑いは終わることを知らず・・・


あれほど店員から監視されているということは、彼奴相当のモノなのだろう。万引きの常習犯を教えられたのなんて初めてだから、コレは「バイトのキミでもアイツだけは覚えておけよ」というメッセージなのかもしれん。
まったく何が「ゴメンね兄ちゃん」だ。「ゴメンで済んだら警察はいらない」という単純な一言をオマエに送りたい。
多分、あの手のヤツは万引きという行為に罪悪感などを感じないのではなかろうか。クセのようになっているのか? 老婆の万引きやスリの常習犯は多いと言うからねぇ。どこかで開き直ったり、自分の行動を勝手な論理で正当化してしまっているのだろう。いつまで経ってもそういうことをやっている…一番タチの悪い歳の取り方かもね。ああはなりたくないと思う、強く思う、思いまくる。本当に困ったモンですねぇ。いやいや。

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