« 生まれてはじめての「おめでとう」 | もどる | 「キーチ!!」ー“マナー”への視点 »

2007年05月15日 夏前に

今日、コンビニで。
飲み物を持ってレジに行ったら、色白で神経質で軟弱そうな、二流ホストみたいな髪型、スーツ姿の男が、財布を覗き込んで長い間小銭をいじくり回していた。私は後ろでイライラして待っていたけど、ソイツが数枚の小銭を店員に渡した後、思わずヘッと笑ってしまった。店員が「200円丁度お預かりします」と言ったから。
いい年した男が、カッコつけた髪型の男が、ホストみたいな容貌でナルシストっぽい男が、200円程度の金額を、小銭を集めに集めて出す必要があるか?店員も小銭の合計を確認するのにちょっと手間取っていたじゃないか。
いくら外見でカッコつけていても、ああいう行為一つで器が知れる。そりゃ財布に小銭がいっぱいあれば、使おうと思う気持ちも分かるが、ちょっと時間がかかりすぎだ。財布の中にテレビでもあって、それを見ているのかと思うくらい必死に財布を覗き込んでいたものだから、何か見ているコッチが情けない気持ちになってきたわ。その男のせいでニヤニヤしてしまったもんだから、お金を払う時、今度は逆に私が店員から変な目で見られてしまったじゃないか。あの店員は「変な客が続くなぁ」と思ったかもしれん。スマン。全ての原因はオレの前の器の小さい偽ホストだ。
私なんか会計がピッタリ300円だったから、すぐに財布から百円玉を三枚取り出してやったもんねぇー。ヘヘーン、私の方がよっぽどスマートだぜー。


今、「松坂が完投勝利!」というニュースを見た。
松坂で思い出したけど、数週間前の朝、出掛ける前にテレビをつけたらメジャー中継をやっていた。松坂が先発する試合。その時の松坂はまだ1勝1敗くらいの成績だったけど、解説者は「相手投手からすれば、今日の相手が松坂ですから、負けて当然という気持ちで来るでしょう」などとほざいていたのを聞いて、テレビを殴り捨てようかと思った。最悪な朝。
確かに松坂は破格の金額が話題になったけど、あくまでも向こうでは実績の無い新人。しかも開幕したばっかりでまだ凄い結果を出しているワケでは無い。それなのに対戦相手の投手が「負けて当然」などと思うワケがないだろうがこの馬鹿。しかもメジャーでの実績では、その対戦相手の投手の方が上だ。そういう場合、「話題のマツ-ザカが相手か。ここで俺が良いピッチングをすれば・・・」と思うのが、プロフェッショナルじゃないのか。
メジャーでの実績に乏しい新人相手に、話合前から「負けて当然」などと思うヤツがいるとすれば、そんなヤツはやがて消えていく。競争に残れない。
その解説者だけのハナシではないが、何故日本のメディアは、ああまでして松坂有利に考えたがるのだろう(勝てば「さすが松坂!」、負ければ「次に向けての収穫あり!」で超ポジティブ。世相を嘲笑うかのように白々しい陽気)。そういえばW杯を目前にした一年前の今頃も、一次リーグ突破を前提にしたような報道が幾らかあったなぁ。
日本のメディア(特にスポーツ関連)は何でも楽観的、希望的観測で物事を語ろうとする。で、往々にして結果が出ないんだ。そうすると今度は「残念。でもよく頑張りました。お疲れさまでしたー」となる。これじゃあ国民の側からプロフェッショナル精神を高めようとする機運も起こらないわけだ。ということを、以前にも書いたけど、やっぱりその体質は今でも変わってないなー。
選手を労るのは大切だが、時として厳しい視点も必要。アメとムチ。欧米のメディアは、そういう点では優れていると思わされる。
マスメディアに浸食するリアリズムの欠如。本来無効であるべき憲法が、今に至るまで改正されずに残されて来た原因の一つには、こうした問題もあるのではないか。と、どこぞの人々が好きそうな締め方で終わり。

« 生まれてはじめての「おめでとう」 | もどる | 「キーチ!!」ー“マナー”への視点 »