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2006年11月03日 ヘノミチ

中村粲著『大東亜戦争への道』某メディア批判でお馴染み、中村粲センセイの名著『大東亜戦争への道』
ほうほう、ナルホド、これは確かに面白い本だ。
約四千円もする高価な本だけど、それだけの価値はある、はず。
書名通り大東亜戦争までの過程を丁寧に追った一級の通史といえるだろう。超完璧とまでは言わないが、完璧と言って良い本。


流れを淡々とした筆致で書いている所もあれば、若干熱がこもっているな、と行間から窺える所もある。この辺りはさすが近現代史の大家だと思わせる。そういう所が見受けられない歴史本は、読んでいて面白くないからね。
その著者の意見・見解が曖昧な本なんて面白いワケがない。歴史の本だって、事実の上に著者の考えが述べられていなければならない。どっち付かずの意見が記された歴史書なんて教科書だけで十分。いや、教科書は出来る限り公平な視点から史実を書かなければいけないが、そもそもそんなコトは不可能だともいえる。どれだけ公平に書いたつもりでも、必ずどこかから批判が出るから。それならば、教科書のようなスタイルは無視して、自分のスタイルで、自分の歴史観を述べる以外にないのではないか。
へっ、そういう批判は覚悟の上さ、という気概を持ってね。
批判が怖くて、どうとも受け取れるような感じの無難で中途半端な文章を書く著者は卑怯だ。その点、この本は一貫して書き手の見解が述べられているから心地良い。


中村センセイからいわせれば、大東亜戦争とは…
1.門戸開放主義をめぐる日米抗争 2.共産主義との戦ひ(六百五十六頁)
となるが、まぁ、そうでしょうねぇ。


あとは、日本国内での共産分子の動きとかが記述されていても良かったように思うけど、それは別に良いか。
そういえば、大東亜戦争はコミンテルンの陰謀によって引き起こされた戦争で、その最終目的は全世界の共産化政策だった、などという論を聞いたことがあるなー。日本の首脳部にも、実は赤い連中が多くいたとか。アハハハ。陰謀説ってのは面白いから、常に一人歩きしますからねぇ。デイビッド・バーガミニの「天皇の陰謀」だって少なからず注目されたし…


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