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2006年10月24日 見たくないモノ

悲しい夢を見ました。
以下その話をします。


私はどうやらお偉い先生と面談することになったらしく…
その時のやり取り。


先生「ところで君、最近流行の歌というのは何だね」
私「流行の歌ですか・・・さ、さぁ、倖田來未とかじゃないですか」

先生「えっ!何? 香田?」
私「倖田來未という女の歌手が、若いヒトたちに人気があるんじゃないでしょうか」
先生「ほー、どんな歌を歌っとるんじゃ?」
私「いや、ボクもあまり詳しくないもんで」
先生「なんじゃ、君は音楽に疎いのか」
私「あまり流行の歌とかは聴きませんね」
先生「じゃあ、流行のファッションなんかはどうだ?」
私「ファッションですか…それはもっと分かりません」
先生「…ぅーむ!じゃあ最近人気のドラマは?」
私「ちょっと…ドラマはほとんど見ないもので・・それも詳しくないですね」
先生「じゃあ映画は!」(先生ちょっと怒り気味)
私「映画ですか…………………あっ!JACKASSという映画は、アメリカで人気みたいですけど」
先生「ジャッカス?どんな映画じゃ」
私「なんかひたすらイタズラを繰り返す様子を撮り続けてるみたいで、日本のバラエティ番組にもあるような感じだと思いますが」
先生「フッ、くだらん 最近人気の役者とかは?」
私「それもあまり詳しくないんですが…」
先生「君は何も知らんのじゃの!何か最近流行りのものを知らんのか?」
私「流行りのモノ…………………大相撲では、横綱を狙う白鵬が一番の注目で、白鵬と同年代の把瑠都や稀勢の里、安馬という力士がイイですね」
先生「なんだそりゃ。もっと若者らしいコトを言えんのか!」
私「……スイマセン。あまり流行には詳しくないもんで」
先生「君じゃあ話にならんな もう良い 帰りなさい」
私「ハ、ハァ どうも失礼致しました」


その後、私は若者で溢れかえる町を素通りし、郊外の質素な蕎麦屋へと入った。
先刻の会話を思い出しながら食べた蕎麦の味は、まるで水のようだった。
あの蕎麦と同じくらい味気ない私の生活。世間の流れを知らなくて何が悪い。
流行を追い求めてるヤツなんて、いずれ道を見失ってドブ川に落ちてしまえー!


涙ながらにそう叫んだ後、私は虚しい幻から覚醒したのだった。

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