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2006年08月23日 マジカル・パワー

Magical Powerマジカル・パワー・マコは日本におけるCaptain Beefheartである、とは言えないだろうか。
音楽性自体に違いはあるものの、そのぶっ飛んだ才能や演っている音楽はCaptain Beefheartにも引けをとらない。


この人ほど純粋に"音を楽しむ"音楽をやっている人もいないだろう。
いわば音楽の原点のようなことをやる人である。
そしてこのファーストアルバム「マジカル・パワー」は、原点も原点であって、音楽そのものの面白さを詰め込んでいる。
例えば「チャチャ」という曲なんかは、ひたすら「チャチャチャチャチャチャ」と叫び続けるだけだし、「秋がない(アギネ) 」では、おっさんが純度100%の津軽弁で歌いまくるし、「アメリカン・ヴィレッジ1973」ではこれ以上無いほどの繊細な音を作り上げている。
そして2曲に参加している灰野敬二の活躍があまりにも素晴らしい。


こういう風な手段で音楽をやる人がいるんだから、凡百のミュージシャンはたまったものではないだろう。
だって「音楽」のありのままの姿を、こうも明確に描かれては、やりきれないだろうから。
私が音楽をやっている立場なら、もう嫌になってやめてしまうかもしれん。
それほどこのアルバムはショッキングな内容だ。
マジカル・パワー、というのも頷ける。


マジカル・パワー、ね。うん、ピッタリの名前だ。

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