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2006年08月21日 「新」

Faust IVどういうわけか、70年代の「ジャーマンロック」などという部類に分けられるミュージシャンには、ヘンテコな連中が多い。
CANやNEU!やTangerine Dreamなどは、その中でも代表的な存在だが、このFaustも同様に「ジャーマンロック」を象徴するヘンテコなバンドであろう。


Faustといえば「Faust」や「So Far」というアルバムが有名だが、音楽的にはこの「Faust IV」が一番面白い(ヘンテコな)ことをやっているように思う。


Faustの音楽は、実態を捉え辛い。
だが、降り注ぐような不気味な音は、いつ聴いても新鮮で垢抜けている。
一方で、彼らの音の底に眠るものは、あまりに鋭く、そして混迷している。
相対するものが結びついているようだ。


このアルバムでは、その両者の対立が恐いくらいに表れている。
背筋を凍らせるほど不気味に、鋭く、迫ってくるものがある。
自分の内側にある何かを一新させるほどの力を伴っているのだ。


一概に「新鮮」や「一新」と言ってもピンとこないだろうが、直接このアルバムを聴いてみると「ナルホドな」と思ったりするであろう。

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