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2006年05月31日 ふと思ったこと。

大東亜戦争時の陸軍に富永恭次中将という最強のヘタレ司令官がいた。この男は陸軍の特攻隊編成の中心人物であったとされている。数えきれない程の若者たちが自らの生命を犠牲にして、守るべきものを守るために散華していったが、富永は時が来ると前線から逃げるように退避したのであった。
単に待避するだけなら、"普通の"ヘタレだが、富永の場合はそれよりもタチが悪い"最強の"ヘタレなのだ。というのも彼は、隊員が出撃する前に「私も後で貴様たちを追っていく」と言いながら、状況がヤバくなると逃げたのだ。当時の軍司令官にはあり得ないような事である。それなら最初からカッコつけたようなことを言うな、ということだ。その点海軍の特攻隊編成の中心人物とされる大西瀧治郎などは見事なものである。しかし、一番見事というか、忘れてはならないのは、その意志がどうであれ、自らを犠牲にしてまで戦った無数の兵士たちだ。
彼等の心境いかなるものであったのか。こういうことを考える時、まず「七生報国」や「八紘一宇」、「悠久の大儀」という言葉が出てくるが、おそらくはそれよりももっと身近で、自分にとって大切なものが、彼らの念頭にはあったのだろう。


自分の生命を投げ出してまで、守るべき、大切なもの。


そういうものがパッと頭に浮かんだアナタはきっと幸せ者。私は・・・・

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