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2006年05月04日 うわっ 俺文才無いな!

うおおおおおおおおおおお!!!!


助けてくれえええええーーーーー


ピストルを持ったおっさんに追いかけられている!!!
俺は、夕日が差し込む窓を右上に見ながら、必死で階段を駆け上がっている。
後ろを振り返った。おっさんは全身黒の衣で身を覆い、涼しい顔で俺を追って来ている。
俺は、逃げるのに、必死である。まるでライオンに追われるシマウマだ。
おっさんの視線は俺には向けられていない。ちょっと俯いたような様子でひたすら階段を駆け上がっている。
俺は、泣いた。恐くて泣いた。
涙で霞む目で、夕日が差し込む窓を見上げた。


・・・・・!!!!


茶色の長いコートを着た軍人らしい顔のおっさんが、必死で階段を駆け上がっている。
その軍人顔も、何者かに追われているかのように必死だ。
俺は、声を荒げた。


「た、助けてくれ!」

軍人顔は振り向きもしない。ただ足音だけを残して、俺から遠ざかっていく。
逃がすか!! 俺に残された唯一の希望は、もうその軍人顔だけである。
いや、この際軍人顔なんかじゃ無い。コイツは軍人だ。きっと武器を持っている。コイツなら、俺を追っている奴を倒してくれるかもしれない。
死の恐怖は、時として荒唐無稽な判決を下す。


追いかける。追いかける。
ちょっと後ろを振り返った。
黒に身を隠されたおっさんの表情が明らかに険しくなっている。
はっとした。
もしかして、この黒い奴は俺を追っていないのではないか?
俺の上にいる、軍人を追いかけているのではないか?
この軍人が表れて、おっさんの表情は一変した。本当の標的は軍人か!? 俺は、無関係なのか?


その時、怒声が、俺の耳を、刺し殺さんばかりの勢いで貫いた。
「何をしている!!! 早く来い!!!」


鷹の目のようなキリっとした軍人の目が俺を捉えていた。刹那の逡巡が俺の足を止めていたのだ。
「さあ! 早く!!」
俺を促す軍人の声。
やはり、コイツは軍人だ。俺を、救ってくれる。それなら、俺を追いかけている黒は・・・
分からない。この野郎が誰で、なぜ俺が追いかけられてるのか、全然分からない。
俺は今、夕立ちに襲われて、ずぶ濡れになり、ただ立ち尽くすしかない老婆の如く、判断力を失っている。


とりあえず軍人の元へ。軍人なら一切を知っているはずだ。
俺はまた、階段を駆け上がり出した。軍人も駆け出す。


やがて、俺の視界に、扉が見えてきた。
ああ、屋上だ。
瞬時にそう察知した。
なぜか俺は、逃げ切れた気がした。


軍人が扉を開ける。
俺も、軍人に続いて屋上に出る。
空は、夕焼けで、薄紅色に染まっている。それは、いつか見た、巨乳の外国人の乳首を連想させた。
いかん! こんな時に俺は、何を考えているんだ!!


「さあ、早く。こっちだ」
軍人の声が右耳から入り左耳を抜ける。
夕焼け空から、声のする方へと視線を移す。
ヘリコプターがあった。
しめた!これなら逃げられる!
俺は、再び駆け出す。背後では階段を駆け上がる黒の足音が徐々に近く、響いて来ていた。


ヘリの前に行くと軍人が手を差し出す。
俺は、ありったけの力を込めて、その神の御手にしがみつく。
神は軽々と俺を、引き上げた。
「いくぞ!!」
威勢の良い神の声が響く。
しかし・・・・


ヘリのエンジンがかからない。
視線を扉の方に向けると、なんと黒の姿が!!
黒は屋上に辿り着いていた。そして、なぜかマシンガンを握っていた。
俺は、何と言ったのか、覚えていない。
とにかく絶叫し続けていた。神の存在は、もう忘れ切っている。


俺の乗っているヘリ―世界中のどんな乗り物よりも先進的で、愛のある乗り物。俺の未来を全て抱き寄せてくれるそれ―から、約五メートルの位置まで黒が接近してきたとき、漸くその乗り物は目を覚ました!
けたたましい轟音を立てて、いざ大空へ!!


そう思ったのも束の間、黒はもう俺の真横まで来ていたのだ。
ヘリは、ヘリはまだ、ほとんと飛び立っていない。
万事休す。俺は死を覚悟した。


その時である。軍人が、懐から短銃を出し、黒に発砲した。
ターンッ ターンッ ターンッ ターンッ
甲高い音が俺の耳を喰い尽くす。


三発が黒の胸部に命中した。
しかし、黒は表情一つ変わっていない。


「そ、そんな・・」


狼狽した軍人の声が谷底に落ちた石のように、寂しく響いてくる。
黒は、マシンガンを構えた。
そして、躊躇することなく引き金を・・・・・・・


一面に散乱する弾と血と肉。
何発の弾が俺の体に吸い込まれたのか分からない。
俺はただ絶叫するしかなかった。


「うおおおおおおおおおおお!!!!」


プツリと意識が途切れた。
死んだのか。俺は死んだのか。いったいどうなってるんだ。


・・・という夢を先日見ました。トッテモ恐かったー

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