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2006年03月30日 魔性のミュージック

天皇こっそりとアルケミーから再発されていたNOISEの「天皇」。


と言っても、実はこのバンド(?)については名前くらいしか知らなかった。
ある日某大手レコード店内をブラブラしてたら、偶然このアルバムを見つけた。他に何も買うものも無いし、滅多に来ることもない店だったので、記念としてこのアルバムを買って帰った。


家路に着く途中、"NOISE"という名前、「天皇」というタイトルから相当過激なコトをヤっているのだろうと勝手に想像し、期待していた。


さて、帰宅し若干胸を躍らせながらCDを再生してみたが、


・・・・・・・・・・・


アレ!? なんじゃこれ?


かなりの勢いで頭の回りにクエスチョンマークが点灯する。


聴こえてくる霞みがかったようなオルガンの音は、ある意味では"NOISE"だが・・・


そして恐ろしいほどの緊張感の中、ドラムの音が響き渡り、幽霊のようなヴォーカル(失礼か!?)が被さる。


歌詞カードを見なければ、絶対に歌詞は聴き取れん。
もしライブでこんな風に目の前で歌われると、徐々にどこかが狂っていきそうになる歌。
幻想的というよりは、呪怨的という感じ。
サイケではあるんだが、普通のサイケではない。


何なんだ。よく分からん。
ただ間違いなく言えることは、美しさと恐怖感を兼ね備えた音楽。
地獄で祭典でもあれば鳴っていそうな音。
美しくも邪悪な女鬼たちが奏でていそうな音。


不気味ではあるが、グッと聴き手を惹き込む魔力のようなものを秘めているアルバムだ。


最初に想像していたものとは全く異なるものだが、これは私のイメージを軽々と凌駕する壮絶な音楽じゃないか!
こういったものに出会うことは、この上も無い幸福であり、音楽の力を思い知る時でもある。
何気無い気持ちで買ったアルバムだが、今となっては当時の何気無さに非常に感謝している。
素晴らしい出会いというのは以外と簡単なトコロから始まるものだからね。


私が今、学校の先生なら迷わず生徒たちにこう言う。
「皆さんも何気無い気持ちを大切にしましょう。」

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