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2006年03月29日 グッバイ冬

もうすっかり春。夏が好きではないボクは、これから暖かくなるにつれてどんどんテンションが下がっていく。やがて暑くなると死んだようになる身だ。そういえば今冬はインフルエンザが大流行すると言われていたけど、いったいどうなったのだろう。まあ、とにもかくにもこれからの季節はボクにとって決して良いものではない。温かさの中では生き辛いのね。こういう温かさへの苦手意識は、ボクが北国に多少の憧れを抱いていることとリンクしているのかもしれん。ボクは南国よりも北国が好きだ。北国の冬、強いては正月に何とも言えない風情・日本文化特有の重みを感じる。それは幼い頃に見てきた昔話の影響かもしれない、と最近思うことがある。例えば「笠地蔵」。例えば「鶴の恩返し」。例えば「雪女」。そんな物語の舞台である雪国の光景に潜在的な憧れを抱いているのかもしれない。雪国といっても都心部はダメだ。田舎じゃないと。それこそ昔話のような。宮沢賢治の童話に出てきそうな田舎が良い。 ・・・とは言っても実際に雪国の田舎で生活するとなると、それは苦難の連続だろう。でもテレビで白川郷みたいな光景を見ると思わずハッとしてしまう。こういう思いは別に国内に限ったことでは無い。ボクは北欧などにも憧れを持っている。北欧のアルプスの麓にある町なんかは実に奇麗な景色だ。雪はモノを美しくする。スキーをしている人たちがやたら格好良く見えたり、可愛く見えるのもそのせいだろう。雪による錯覚。それでも良い。ボクが雪のある場所に惹かれている理由が、たとえ錯覚によるものであったとしても悪くは思わない。大自然の姿に騙されたとしても嫌ではないのだ。そんなことを思いながら春の訪れを迎えている。冬はもうすっかり去ってしまった。また7〜8ヶ月後に会おう。

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