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2006年02月11日 大阪の奇蹟

Subvert Art Complete Works80年代後半から90年代前半にかけて大阪を中心に活動していた、名実共に「伝説」という名が相応しいのではないかと思われる3ピースバンド、Subvert Blaze。
「大阪の奇蹟」とも呼ばれていたらしい彼等の1stと2nd(いずれも廃盤になっていた)が2in1でアルケミーから復刻されました(かなり前のことだけど・・・)。
で、これがそのアルバム「Subvert Art Complete Works」。


一聴して思うことは、「まあ なんというモノ凄く圧倒的な演奏力であるのか!」ということです。完璧なまでの演奏力を兼ね備えた者達によって叩き出される超ミレニアムヘビーウルトラメガトンスーパーハイテンションサイケロックは、全てのものを木っ端微塵にするだけの破壊力を有しています。
また、そのルックスも実に特徴的なもので、まるで60年代、70年代のヤツらがそっくりそのままタイムスリップしてきたかのような雰囲気でございます。(この辺りのことについてはJOJO広重氏がライナーで触れているので、そっちを参考にしてもらえれば良いです。)


どこかおかしいのではないかと思われるほどの轟音を出しまくるギター、アメリカのトルネードくらいにうねっているベース、尋常じゃない手数のドラム。どこをとっても完璧なこのバンドは、完璧すぎるが故に短命であったバンドの代表的存在であると思います


このアルバムを聴くと、Subvert Blazeには今のロックに消え失せてしまったモノが全て存在しているんじゃないか、なんてことを考えてしまいます。
とても単純な言い方だけど、このバンドの出す音は迫力が違い過ぎる。そこらでロックぶっているヤツらの自信を一気にかき消すだろうこの音は、正に本物以外の何物でもありません。その辺の自称"ロックバンド"が(ドラゴンボールの)餃子なら、Subvert Blazeは(ドラゴンボールZの)魔人ブウですな。それくらい格が違います。
Subvert Blazeと同系列のバンドとして、初期の花電車なんかが連想されますが、思えばSubvert Blazeと初期の花電車は、共に80年代後半から90年代前半に大阪を中心に活動していました。Subvert Blaze、花電車 どちらか一つだけでも驚異的な存在なのに、それが同時期に同所で活動していたのだから恐れ入る。もはやどっちも「大阪の奇蹟」ですよ。


ちなみに、ここに収録されているあの「Summertime Blues」のカバーは、おそらくどの連中のよりもスゴいものです。この一曲だけでもSubvert Blazeというバンドの「奇蹟」っぷりを推し量ることができます。


「Subvert Art Complete Works」。ロックという音楽が、最も激しく爆発していた瞬間の記録。

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