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2006年02月11日 ジャズ+ロック+ジャズ+ロック・・・

Jack Johnsonマイルスが最もロック的だった時のロック的なジャズアルバム「Jack Johnson」。(と言ってもハワイ出身のシンガーのことじゃないよ。)


「ロック的」というのは、あくまでで、これはロック的なジャズ。ジャズロックとかそういうのじゃないです。でも、そこらに蔓延している阿呆みたいなロックなんかよりはよっぽどロックで、そこらに溢れかえっている馬鹿みたいなジャズよりは、当然だけど、よっぽどジャズです。
このアルバムには全2曲、約25分の曲が2曲入ってます。なんといっても一曲目の「Right off」が圧巻。このアルバムは「Right off」で全てが始まって、全てが終わっているような気がします。2曲目の「Yesternow」は余興みたいなモン。
このアルバムが壮絶なのは、「Right off」でのマクラフリンのギターとマイルスのトランペットの絶妙な掛け合い。掛け合いというか、ここまで来るともう殺り合いといえるかもしれません。両者が奏でる音は完全に、従来のジャズにあったギターとトランペットのソレから外れたもので、いきなり辿り着くところまで辿り着いてしまったか、という感じすら覚えます。


このアルバムは「ロック的」だと言ったけど、それはマクラフリンのギターとマイルスのトランペットだけじゃなく、ベースやドラムにも言えること。この強力なリズム隊があって初めて「Jack Johnson」は姿を現す。
しかし、なんというのか、「ロック的」な、異端なジャズではあるんだけど、それでもちゃんと"マイルスの音"として出しているあたりが驚異的ですわ。マイルスほどいろんな音楽を縦横無尽に食い散らかしたミュージシャンも珍しいけど(フランク・ザッパの名前が思い浮かんだが、この両者は全く正反対に位置しているよなぁ)、どんな音楽に傾倒しようとも、根本的には変わることがなく、自分のスタイルを維持し続けられたからこそ、マイルスはマイルスであり続けられたのでしょう。


刺激的なマイルスが堪能できる一枚です。

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