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2009年06月24日 草食系の歌

或るヒトは熱唱していました。

ギンギラギンにさりげなく

そいつが 俺のやり方

ギンギラギンにさりげなく

さりげなく 生きるだけさ


「ギンギラギン」という一見してある程度の目映さを感じさせる語感に「さりげなく」という言葉を無理矢理にこじつける辺りが決定的ではありませんか。コレが「チンチロチンにさりげなく」ならば、本当に惨めな男の末路を思わせ、「さりげなく」がリアルさを増し過ぎて、クールな一面など雲散霧消してしまいます。また「ピロピロリンにさりげなく」であってもいけません。ソレでは己のアホさ加減に自覚的ではない馬鹿者の姿を描いているようで、ただの愚人ソングになってしまいます。コレはあくまでも「ギンギラギン」という程よいイメージを伴う響きがあってこそ、さりげないクールさが浮き立つのです。ギンギラギンにさりげなく笑う男を想像してみて下さい。まるで天使のような悪魔の笑顔じゃありませんか! 最近ではそんな男がこの街にあふれているよ。曰く草食系などと称される連中は、見事にさりげないギンギラギンでしょう。「キンキラキン」はチャラ男ですが、金ではなく銀である辺りが見事に草食系を表しているのです。だから、この歌は時代を先取りした立派な草食系ソングだったのです。
しかし、コレを歌っている本人はレーシングドライバーとしてハデにぶっ飛ばしているのですから、彼のいったいどこが「さりげなく 生きるだけ」なのかはサッパリ分かりません。本人は見事にキンキラキンに生きております。世の中そういうもんです、ハイ。

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