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2009年01月11日 初場所展望、というか朝青龍展望

本日より初場所が始まりますが、専ら注目されていますのは、何と言いましても横綱朝青龍の進退であります。瀬戸際、崖っぷち、危機一髪、ファイト一発リポビタンD。さて、どうなるコトでしょう。稽古総見では白鵬相手に連敗であっただとか、怪我が完治していないだとか、体重が増え過ぎだとか、その故に瞬発力が著しく減退しているだとか、集中力散漫、ピークは過ぎた、引退後はどうする!? だなどと相変わらずの凡俗メディアはお祭り騒ぎをしたいようです。だけど、彼らはいつものコトよってにそっとしておきましょう。斯様な実態は大仰に書き立てずとも、今日からの取り組みを見ればすべてが判然とします。出ると決めた以上は白星を重ね続けなければいけない。コレが横綱という地位に課せられた“死命”に他ならないのですから。ソコが勝ち越しさえすれば一応は認められる大関との違いなのです。──幾ら何でも、さすがに4〜5敗すればダメでしょう。その時は潔く退くべき、ソレが横綱の在り方であると思います。
個人的には彼が出場するのと休場するのとでは、場所の盛り上がり方が全く異なりますので、是非とも出てきて欲しいというのが一つの願いでもありました。ただし、盛り上げられない、勝てない、勝ったとしても無様な取り組みでしかないようならば、いっそのこと引き蘢っていても良いと思うのです。武蔵丸が引退した場所のときの如く横綱が負けても座布団すら舞わない(当時は当然のコトながら座布団の乱舞が容認されていましたので)、客が同情しているのが一目瞭然といったような事態になるくらいならば、大人しく身を引くか身を隠していた方が宜しい。尤も、意地悪なヒトは「朝青龍に同情なんてするヤツはいるもんか」とも言うでしょうが。


優勝争いはやはり白鵬一本に絞られそうな気がします。新大関の日馬富士がどこまで白鵬と競るか。朝青龍の電撃復活!! はちょっと想像し難いのです。また、見所としては両横綱や日馬富士に加えて新入幕の山本山にも注目が集まるでしょう。が、彼も前半の間はその体格に反して地味な扱いになってしまうかもしれません。というのも、やはり朝青龍の動向に何らかの進展があるとすれば(というのは、すなわち「引退」を意味しているのですが)、なかなかどうして前半の間だと思われるからなのです。彼の左肘が依然として芳しくないというのでしたら、とてもじゃないけど15日間相撲を取れるとは思えませんので。


朝青、左ひじ問題なし?…進退報道に不機嫌


けいこは立ち合い確認のため若い力士にぶつかったほか、なわとびや左ひじを使ったゴム運動など。左ひじを動かすことに問題はなさそうに見えた。


と伝えられていますが、およそ彼に関する限りにおいては報道などアテにならないと思っておきたいトコロです。ソレに最も懸念されますのは、「相撲勘」が戻っているのか否か、土俵から暫くの間離れていて、またいきなり以前のような取り組みができるのか、という点で、コレはとても厄介な問題ではないかと思います。本人にとっても周囲のギャラリーにとっても。


初場所の展望を試みんとすれば、(優勝争いに反して)どうしても朝青龍中心になってしまうのはやむを得ない事態かもしれません。ですが、本人が強い意志を持って(?)進退を賭けての出場を決した以上、後のモノは如何なる結果になろうとも見守る以外にはありません。
彼は良くも悪くも「平成の大横綱」、さぁ初場所です!

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