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2008年12月13日 軽い一語で虚無の世界へ

世の中簡明なモノが勝ちます。他者を思考停止に陥れたモノが勝つのです。ヒトラーは決して難しいコトを言わなかった。猫も杓子も理解できる演説をこなして支持を得ました。近年でソレをやったのが小泉元総理で、アホの一つ覚えの如く「構造改革」、「郵政民営化」を唱えて、政治をよく分からない人々からも何となくの支持を受けちゃったのです。その後の安倍さんは「美しい国」と言って波に乗ろうとしたのかもしれませんが、具体的には何のコトやら分からないなどと言われて、かなり頑張ったのですが、体調を崩してしまいました。その後の二人は…ダメだ。何もない。
ちょっと見るトコロを変えてみれば、「流行語大賞」などというバカみたいなイベントが、そういった風潮を象徴しているといえるのではないでしょうか。「だっちゅーの」、「なんでだろ〜」、「グ〜」・・・猫も杓子も、です。
何も考えなくて良いから、ちょっと爽やかで明るい感じなら、すぐに伝播するのです。尤も、イイ大人が「グ〜」などと街中で言っているのを見聞したコトこそありませんが。考えなくて良い分、根は浅い。表面的にしか入り込んでいないから、時間が経つとすぐに抜けてしまうのです。どーでもいーコトをすぐに忘却してしまうのと同じように、軽薄な事象ほど消え去るのも早いんです。──娯楽の場合、そうであっても何の問題もありませんが、政治家が軽薄に流行を作り出してしまうのはいけません。現在はそのような気配がないから良いと思います。バカでも分かっちゃう一語ほど、悪徳政治家にとって便利なモノはない。政治家の言うことが全く分からないのも困りモノですが、安易に理解できてしまうのも困りモノだというコトになります。政治家のセンセーたちに、もっと分かるように喋れというのは半分妥当な意見で半分はクズかもしれません。
ところで、分からないというのは、相手の言葉遣いが適切ではないからか、それとも聞き手の勉強不足に基づく無知故にか。

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