« 六分の三 | もどる | 我が悲劇の世紀末 »

2008年11月08日 好きな声(後悔先立たず)

さて、前回の終わりに「私の好きな声」について書くなどと予告してしまったばっかりに、私は何かを書かなければいけなくなりました。元々はただの思いつきだったのです。正に寝耳に水です。言うなれば、或る映画監督が「次回作はラブ・ロマンスを撮るよ。それもとびきり濃厚なベッドシーンがあるヤツをね。」と予告、翌年キャストもスタッフも決定し、さぁコレからクランクインだというタイミングで、監督が「やぁスマンスマン。実は脚本がまだ出来ていないんだ。っていうか、一字一句として書けてないんだ。そもそも書く気なんてないんだ。だから仕方無いんで、キミら、今からベッドの上でソレっぽいコトをやってくれ。じゃないと、ギャラは出さんよ。」と言う様なモノです。
……監督怖いんで何かやります。何か書きます。ソレっぽいコトを。


「好きな声」とはそも何モノか。私にとってソレは中学時の同級生であるヒノ君の声であって、彼の様な声が理想だ、と宣言しても、残念ながら誰も分からないので困ります。すると、ココで飛び出し気味に「声といえば声優じゃないか」という天の声。おお、ナルホド! さもありなん。…が、私は声優に詳しくない。じゃあ、声を語る資格なんてないや。ハイ、終わり。


と、この時点で終わるコトができればどれだけ幸せなコトか。だが、ソレは先の映画の件でいうと、主演の女優が「私、処女なんです。だからムリです。そんな卑猥なコト…」と拒否するに等しい。そんなコトは許されません。暴挙です。処女膜破れてしまえ! どういう映画かは分かっていたはずでしょう。大まかな予告だけはされていたのですから。──不幸にも、私とて大まかな予告をしてしまった以上、具体的な何かを書かなければなりません。困ります。朝、自宅を出る直前にお腹が痛くなってきたときと同じくらい困ります。


それではハッキリと──どういう声が好きか。二つあります。一つ目は「スクールウォーズ」に出てきた“イソップ”君の様な捉えどころのない、ちょっとだけ高い音でフワフワとした中性的な声。上述のヒノ君はこの部類に属します。二つ目は抑揚の効いた程よい低音が響き渡る誠に紳士的な声。コッチは専ら男性に限定されます。具体的な例でいうと、アメリカの野球選手、ニューヨーク・ヤンキースのキャプテン、デレク・ジーター(が坦々と喋っているときの声)に象徴される様な、渋みのあるムーディーな声です。私の知っている限りのスポーツ選手のなかでは、彼が最もダンディな声の持ち主であるといえます。こういったタイプの声を探そうと思えば、ソウルミュージックの界隈を探索すれば良いんです。わんさかと見つかるでしょう。にも関わらず、ココであえてジーターを持ち出したのは、彼が声で勝負する仕事をしていないという事実、それでいてズバ抜けて渋い声を持っているが故です。(その分、髪型に関しては、遠くから杉苔を眺めたときのようなスタイルですけれど…)


ああ! あと、全然関係無いけど、歌手のYUKIサンの声も好きです。元JUDY AND MARYの。(友達で彼女みたいなのがいると、コッチが神経衰弱になりそうですけれど、)歌手としては素晴らしい声に恵まれた結構なお方だと思います。ソロになってからの歌い方の方が、私好みの声に響いているような気がするのですが。(声だけで選んだ場合、)オススメは「ハミングバード」って曲で、シングルでも出てたと思います。ああ、そういえば「ティンカーベル」って曲のサビ部分の声も良かった様な覚えがあります。加えて「JOY」とかいう曲も多分良かった。イヤイヤ、曲単発ではなく「JOY」ってアルバム全体で良い声だった。ビューティフルじゃなくてキュート。プリティじゃなくてキュート。そんな声。


というワケで、次は「dl-マレイン酸クロルフェニラミン」と「d-マレイン酸クロルフェニラミン」の関係について書きます。「狼少年」ってタイトルで。

« 六分の三 | もどる | 我が悲劇の世紀末 »