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2008年09月03日 顛倒した意識

「秋場所中止も視野」と貴乃花親方


大相撲の幕内露鵬(28)と十両白露山(26)の兄弟が尿検査で大麻の陽性反応を示した問題で、日本相撲協会は3日、検体を検査機関に提出、早ければ5日にも精密検査の結果が出ることになった。両力士は同日、会見で潔白を主張したが、貴乃花親方(元横綱貴乃花)が「秋場所中止も視野に入れる」と述べるなど、角界の危機感は高まっている。…(中略)…貴乃花親方は「(両力士を)できる限り信じてあげたい」としながらも「ファンが心配してくださるうちはいいが、それ以上に低下していくと、相撲協会という団体としての是非が問われる。悪化したものを取り払う計らいをする必要がある」と、角界改革の必要性を強調した。


若ノ鵬の時は「どうしようもないヤツだなぁ」と苦笑できたのですが、昨日ニュース速報のテロップを目撃した時は固まったのであって、到底笑えるレベルじゃあない。未だに事実の具体的部分は判明せずであって、仮に大麻を用いておったとしても、若ノ鵬の如く逮捕はないとの由… 当然のコトながら、逮捕されるされないではなく、角界に薬物がフツウに蔓延るという事態に由々しき問題がある。北の湖理事長は悠長にサウナへ行っています場合ではなかろうに! 露鵬、白露山という兄弟による大麻疑惑、若ノ鵬と同じロシア人、長年の交友関係が存した、一連の繋がりを見出すコトは容易だが、果たして誰がこの繋がりの外では薬物の影が見当たらぬと断言できよう。
貴乃花親方が申し上げているように、最悪の場合は秋場所を中止してでも、その期間に徹底した調査及び対策に向けての何かしらの動きを見せなければいけません。相撲界全体としての取り組みを、相撲の伝統・精神が完全に廃れ切っていない状態においてこそ、再生に向けた一歩を刻まなければいけない。本当は命令形で以て記し上げたいのだが、謙虚さは持ち堪えているんです。
日本人力士はもとより、何も知らずに来日する外国人力士は殊に、相撲をスポーツとして捉えるよりも文化として捉える意識が必要だった。現役の力士だけではなく、師匠、部屋の関係者、各委員会、そうしてファンにもそうした意識が希薄になっていたのかもしれん。私も全く良くない… 文化は複数の層を備えている。土俵の上、稽古場、巡業、言葉遣い、様式、暮らし、すべてが文化を構成する重大な要素です。今や相撲は土俵上における勝ち星争いに堕してしまった! 番付は確かに大事だ。大事だけれども、番付あっての相撲ではなく、相撲あっての番付。彼らはいま、番付を相撲より上に置いているよ。包丁で魚を切ってはおりません、魚で包丁を切り刻もうとしていらっしゃる。そりゃ、逆に切り刻まれるだけでございましょう。 あのヒトを御覧なさい!血だらけの手で尚も包丁を叩いている。いったいソコまでして何を求めようとしているのだろう?
顛倒した意識を引っ張り戻さねばならぬ。土俵至上主義の漸進的改善、並びに文化としての相撲蘇生に向けて、各層への配慮。コレらを具体的に実現していく方策を…と私は求めている。「角界改革」ってのは、斯かるトコロを目指していくべきではないだろうか、と思ってのコトです。


オプティミストと称されても宜しい、愚劣なドリーマーと囁かれても宜しい、まだまだ、まだまだ大相撲の精神は朽ち果てていないと思えばこそ、再生、向上への道は拓かれてくる。誰かが発言致した。「あきらめたら そこで大相撲終了だよ」 うう...安西先生…!! 綺麗な相撲が 見たいです……

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