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2008年03月14日 書き出しが「恋」って…

恋、と書いたら、あと、書けなくなった。


太宰治はユニークである。
普通、書き出しでまず「恋」とは書かぬ。書くにしてもその後に何かを継ぎ足そうとして書きはせぬ。本来、「恋」は単に「恋」と書き付けるだけで完結してしまいそうなモノです。所謂自己確認。然るに、この乙女は「恋」と書いて、更にその後に何かを綴ろうとしてあったのでした。なんという貪欲さ! まだ言葉を欲するか! そうして斯かる展開で(当然の如く)行き詰まったコトをさも無念そうに受け取っておるのだから、その時点で、それだけで十分「斜陽」なのである。


そもそも「恋」から始まる文面はあまりに単刀直入及び無思慮かつ無分別でありまして、詰まるトコロ芸当が無さ過ぎて宜しくはない、と思うのです。
「恋」の後に何が続く? 何を持って来たい? それ以上に欲するモノとは?
「恋」は、冒頭の文句ではあらぬ。むしろ終盤の文句なのでございます。
一度終盤で遣っておいてから、機が熟するのを待ちて冒頭に用いるというのはアリかもしれぬが、いきなり頭に引っ張り出して来るってのは、ちょっと芳しくないのではありますまいか。
だから、一目惚れってのは冷める時には急激に冷めちゃうんだろう。なぜなら、ソレは序盤が存するのみで中盤から終盤にかけての過程が全く欠落しております、著しき未完状態なのであるから。


ああ、いけない、不似合いなコトを申しまくった。


両横綱の立ち合いが危なっかしい。
コレを今日か明日に発言しようと思っておったのだけど、今日言った次第なのでした。

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