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2006年01月16日 世界を手に入れろ!

ザ・ワールド・イズ・マイン私が一番好きな漫画家は新井英樹。ちなみに二番目は古谷実だったりする。
その新井英樹といえばやはりこの「ザ・ワールド・イズ・マイン」だろう。


ストーリーについての詳細は省くとして、この漫画の凄いところはヒグマドンという怪物を登場させた所だと思う。
ぶっちゃけモンちゃん一人だけでも十分凄みのあるキャラだから、ヒグマドンがなくても物語は余裕で成立しただろう。しかしそこにヒグマドンみたいな怪物を登場させる辺りがさすが新井英樹とでも言おうか。


本当にこの人の描く漫画は動きがある。直下型の地震のような作品を描き続けている稀有な作家だと思う。


ところで、私がこの作品中で最も好きなのは141話の「勝者なし」。


「人権を差別せよ。自ら社会を逸脱する者にその生における平等はない。(中略)『ヒューマニズ』を差別せよ。その言葉の響きに酔いしれ 思考を停止した者のみが殺すことをすべて悪とする。人間とはあまりに不完全な度し難い生き物であるにもかかわらず 神をも恐れず懸命に守るべき命と葬るべき命を常に選択してきたのだ。ならば 差別することも殺すこともヒューマニズムである。」と須賀原が弁を振るう場面。


このセリフの是非については、かなり意見が分かれる所だろう。
でも、そんなことはどーでもいー。こういうことを堂々と喋れることができるキャラを登場させ、そのキャラの見せ場をああいう形に持っていった、というその展開に惹かれるのだ。


改めて思うが「新井節」が炸裂した「ザ・ワールド・イズ・マイン」は、本当にスゴい漫画だ。


・・・ちなみにこのサイトの名前である"Whose Is The World?"というのは、"ザ・ワールド・イズ・マイン"という所から派生してきたものです。どーでもいーことかもしれませんが・・・

※現在「ザ・ワールド・イズ・マイン」はどうやら絶版のようです。おまけに古本屋でも見つけることが相当難しくなっています。
全巻揃えようとするならば、ヤフオクなんかを利用するのが最も手っ取り早いと思います。
こんなスゴい漫画が入手困難だというのが残念でなりません。

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