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2008年04月28日 悪鬼的土曜日

「キーチvs」1巻「RIN」3巻先週の土曜、26日は或る意味で凄い日であった。
「キーチVS」1巻
「RIN」3巻
新井英樹漫画が二作同時発売なんて! 斯様な事態は、私の胸の裡をゲーム好きのソレに適合致しますれば、すなわちFFとDQが同時発売されるようなモノであって、また一部のお笑い好きのソレに適合致しますれば、バッファロー吾郎と野性爆弾がいいとも!のレギュラーに抜擢されるくらいの珍事なのでありますが…後者は蛇足なのだった。


この作品は 明るく楽しい漫画ではありません。新井英樹の漫画ですから、気をつけて読んでください。内容はというと、主人公キーチが世の中の不快なものと闘う話です。正義や平和を求めて闘ったりしません。あしからず。


「キーチVS」のカバーに斯かる文句が記し上げられておった。どういうコトじゃ。珍奇過ぎる、逆説的な発想…受け手にそう思わせようと意図してはおらぬはず、だが。自ずから一歩引いて、相手を一歩コチラ側に誘い込む手段であるか!?
ところで、と言うより、しかし、「明るく楽しい漫画ではありません」と出版社側が申しておるのが裏目に出たか否かは知らぬけれども、店先扱いは芳しくないようであります。店頭で買い求めます分には些細な苦労を要すかもしれん。―これは私の勝手な註釈なのだった。コレも蛇足なのだった。
内容については触らぬ神に祟りなし的なコトもあろうから、前編「キーチ」がより巨視的に、熱狂的に民の支持を得ておるような具合であって、一体ドコまでハナシを拡げて行くのであろうか、ってコトを述べるに留めておきたいのです。依然として現状は導入段階であろうから、まだ迂闊に言を弄ぶワケにはいきますまい、寄りの状態。


「RIN」の方も多言を要せず、ぶっ飛んだボクシング漫画が存するのですから、是非「百聞は一見に如かず」を贈呈する。
…ボギャブラリーが崩壊しかけておるのでしたが、こうなるのは無理な文体の背後に去来する悪鬼的な輩の呪いなのでごいざいます。そうして当方の見解の披瀝を許容して頂けるのでありましたらば、「新井英樹の漫画ですから、気をつけて読んでください。」との概説が相応しいのは、専らコチラ「RIN」の方でして―ソレは縦横無尽、エキセントリックに貪欲過ぎな描写に驚愕せしめられるから。ああきて、こうきて、そうきた後に千代に(が)イクなんて。 ソコに加えるに中尾、1R終了間際、首を振っているシーン、これなぞは天才の慧眼だろうか、彼は最高のキャラでありましょう。
ええ、でも此の先再度一年間の待機を強要されれば、すなわち4巻はまた来年の春である由、異常にサディスティック、サディスティックな春、略してSS(Sadistic Spring)、「ダブルエス」と称し度く存じ上げます。


…わざと支離滅裂な文章を書いているワケではないんです。自然の流れの中で、今回はこうしたモノになってしまったのであるから、コレは不可抗力としか申せませぬ。故に手直しも不可能。ただ、存外、こうであっても、それなりに最低限度のモノの伝達は達成できておると思う次第なのでした。以上を以て書き終わり。

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