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2008年12月30日 (火)

「文明の衝突」のS・ハンチントン氏が死去

「ハーバード大で昨年まで58年間、教壇に立ったハンチントン氏は、米フォーリン・アフェアーズ誌で発表した論文に加筆した『文明の衝突』を1996年に出版。世界がキリスト教、イスラム教、ヒンズー教、儒教といった宗教を基にした文明ごとに分裂し、それぞれの競合や対立は不可避と主張した。
同著は、冷戦後の世界における対立の構図がイデオロギーよりも宗教だとして大きな議論を呼び、特に2001年9月の米同時攻撃後に、西側諸国とイスラム世界との関係を予見したものとして話題となった。」

というワケで、ハンチントン(ハンティントンとも)氏がお亡くなりになられました。おそらく大戦後の政治学者のなかで最も著名なヒトの一人でしょう。ハンチントン=『文明の衝突』という構図(のみ?)は広く人口に膾炙している通りですが、最近はどうなのでしょう、この書物を熱烈に支持してお話をするヒトは少なくなったようにも思われます。それこそフランシス・フクヤマ氏の『歴史の終わり』に対するリアクションにも似た様な扱い、とまでは言いませんが、ハンチントン氏に対しては何か冷ややかな感じを覚えたりもするものです。
このヒトの文明に対する見解はとてもユニークで、殊にわたしたちに身近な問題でいうと、日本文明と中華文明の関係──中華文明に歩み寄る(歩み寄らざるを得なくなる?)日本──などは、依然として当たったとも外れたとも言えない次元にあるコトでして、また今の中東やアメリカの争いなどについても、何かしらの示唆を与えてくれそうでして・・・・
というワケで、ハンチントン氏のご冥福をお祈り致します。氏の業績はまだまだこれからその良し悪しや正誤等が判明してくるでしょう。